Outline概要文
三重県立津高等学校が学校全体で挑む「津高TED(Tsu high school Education Discovery)」は、探究や課外活動で挑戦してきた生徒たちが、自らの経験を全校に語る発表イベントです。LAMPSはコーディネーターとして、イベントコンセプトの設計、プレゼンの心得レクチャー、全員参加のWeb練習から個別伴走まで、登壇者ひとりひとりに寄り添う伴走を担当しました。
登壇者は、三重大学大学院西村ゼミ参加者、能登ボランティア参加者、台湾・ベトナム研修参加者、SSH探究児童・生徒研究発表会口頭部門ベスト発表賞チーム、ロボットコンテスト挑戦チーム、吹奏楽部東海大会参加者、人権動画コンテスト入賞チーム、教員有志——津高生のあらゆる挑戦を束ねる多彩な布陣が、約500名の生徒と教職員を前に舞台に立ちました。令和6年度・令和7年度の2年連続で伴走支援を行いました。
Vision実現したい状態
「やらされ探究」から、「自分の言葉で語る探究」へ
探究学習が必修化され、多くの学校で発表会が行われるようになりました。一方で、その多くは「原稿の読み上げ」に終わり、伝える力や熱量までは育っていません。探究そのものが「やらされ探究」と化し、学校の文化や風土を体現する場にまで昇華しきれていない——これは多くの普通科高校が抱える共通課題です。
津高校もまた、探究や課外活動で挑戦する生徒を数多く抱えながら、その成果を学校全体の気づきや刺激に変える場を模索していました。本事業では、「何を話すか」より「どう話すか」を磨くことで、生徒たちが自分の経験を自分の言葉で語りきれる状態を目指しました。プレゼンとは技術ではなく、伝えたいという想いが形になったもの——その前提に立ち、津高生の覚悟と熱量が全校に届く場をつくっていきます。
Processプロセスデザイン
イベントコンセプトの再定義
校長先生との対話から、事業ははじまりました。Education × Discoveryという「津高TED」の原点に立ち返り、「何を話すか」より「どう話すか」を磨く場とすることを合意。多様な挑戦者が登壇する場として、ゼミ・ボランティア・研修・SSH・ロボコン・吹奏楽・人権動画コンテスト・教員有志を束ねる布陣を設計しました。
「プレゼンの心得」レクチャー
本番の約3週間前、全登壇者向けに「プレゼンの心得」講座を実施。準備編(①目的を明確にする ②伝えたいことは一言で ③ストーリーで構成を組み立てる)とプレゼン編(①「何を」より「どう」話すか/非言語9割の原則 ②文字を読まず自分の言葉で ③1スライド1メッセージ)を、実例を交えて伝えていきました。
全員参加のWeb練習と、個別伴走
レクチャー後、まず全員参加のWeb練習を実施。以降、本番までの約2週間は、希望者向けに個別練習をLINEで日程調整しながら開催しました。「頭の中の原稿を読む」段階から「自分の言葉で語る」段階へ、登壇者ひとりひとりに寄り添う時間を重ねていきました。
前日・当日早朝リハーサル、そして本番
前日練習、当日早朝練習を経て本番へ。第1部では日本初のアスレティックトレーナーであり日本ペップトーク普及協会代表理事の岩崎由純氏による講演、第2部では津高生の多彩な挑戦者たちが、約500名の生徒・教職員を前に登壇しました。
Harvest収穫
「自分の言葉」で語る覚悟と熱量が、生徒から立ち上がった
当日、原稿を読み上げる発表ではなく、自らの経験と向き合い、「伝えたい」という想いが形になった言葉が、生徒から立ち上がっていきました。探究学習の意味づけが再構築され、学校全体に気づきや刺激を生む場として機能しました。
「心得 → 全員練習 → 個別伴走」という設計の機能
この変容は、約3週間という短い期間のなかで積み上げられました。まず全員が「プレゼンとは何か」を揃え、次に実際に声に出して練習し、最後に一人ひとりの課題に合わせて個別で伴走する——段階的な設計が、多様な背景を持つ登壇者たちを共通の舞台へと運んでいきました。令和6年度・令和7年度と2年連続で受託し、津高校の春の文化として定着しつつあります。